熊本県水俣市 協立クリニックは、水俣病の診断・治療・リハビリ、神経内科、精神科、内科を専門としています。
2025年5月24日、第66回日本神経学会学術大会(大阪)で、高岡院長がポスター発表をしました。タイトルは、「WHO環境保健クライテリア1「水銀」の策定過程における問題点」です。
長年、環境省は、メチル水銀中毒症の発症閾値を頭髪水銀50µg/g(ppm)とし、その根拠をWHO環境保健クライテリア1「水銀」およびクライテリア101「メチル水銀」による国際的知見としています。ところが、これらのクライテリア策定にあたって提供された新潟水俣病患者のデータソースに問題があり、検討対象が急性発症患者に限定されさているほか、最小リスク濃度が原理的に算出できない手法が用いられています。
今回の発表では、それらの問題について文献的に考察し、クライテリア1および101の基準値が最小リスク濃度といえないことを紹介しました。